2012年11月29日

ベルばらを読んでD(アンドレ話など)

妄想の余地がいっぱい――二次創作も読みつつアンドレ話など

ベルばら関連のサイトってびっくりするほどある。全国どころか全世界的に愛されていて、ファンのベルばら愛ってすごい! イラストや小説や漫画や批評感想あらゆる研究…当時のフランス社会を初めとする様々なお勉強もできます。キリスト教的な社会観に改めて関心が向き、フランス語もほんの少し覚えた。深く深――くどこまでももぐっていけて、ベルばらありがとう!!

そして何よりやっぱり、キャラ妄想が楽しいのは言わずもがな。

コミケに二次創作本(ベルばらではない)を出している友人たち曰く(含「タイバニ座談会」稀人舎通信10号)
「いい二次創作はいい原作がある」「キャラに萌えられるのはお話がしっかりしているからこそ」「自分の日常生活から離れた設定の方が感情移入できる」…そんなすべてが、ベルばらにはあてはまるのですね。

ベルばら二次創作の王道は、やはりオスカル&アンドレのラブラブモード話。かわいい美しいイラストも多々あり。「幼なじみで主従関係」というのが、40年たっても古びない萌えポイントです。
アンドレはオスカルあってのアンドレ、オスカルとペアだからこそ魅力的、と思う。どうも私は…アンドレ単独では萌えられない。
大きな要因は、アンドレがオスカルを思うあまり、ワインに薬を盛り心中を図ろうとするシーン。これがどうしても受け付けないのだ。怖ぇーよアンドレ……魔がさしただけ一時の迷いとは思うけれども。たとえ両想いになれなかったとしても、最後までオスカルを思い影となって見守ったと信じたいが、う――んしかし。オスカルがふりむいてくれなかったらアンドレは正気を保っていられただろうか。アンドレの精神はもう、崖っぷちだったはず。
話の進行とともに絵柄がどんどん変わり、この頃にはアンドレもオスカルもしっかり30代らしい大人の風情。ぐっとセクシーになるアンドレ、あらあらいつの間にって感じです。手をのばせば触れられる近さにいる愛しのオスカル。片思いって苦しい、しかもおそらく20年近くも。暴走暴発しそうになるのも無理ないか。いやでも、オスカル貴族であなた平民ですから。当時は絶対的に無理だし結婚邪魔してどうするのっ!オスカルの幸せ望まないのか、いやしかし…

とまあ、ああでもないこうでもないと考えられる余地いっぱいなのが、ベルばらのいいところ。描かれていないディティールを妄想する楽しさ。読者がとても多いから(もしくはアニメ観ていた人)、世間話的に話せるのもうれしい。

作者は、オスカルのキャラ設定はしっかり考えていたようですが(最期は市民側につく衛兵隊長というのがイメージされていた)、アンドレは当初サブキャラに近かったよう。二人を結び付けようとは考えていなかったらしい。オスカルはジェローデルと夫婦になった可能性があるし、独身を貫いたかもしれないし。アンドレはロザリーと結ばれていたかもしれない。
だけど読み返すと、オスカルがアンドレと結ばれるのは必然としか思えない。すべてのエピソードが最期までそこへ向けて生きている。キャラが勝手に動くとはこういうことか。ベルばらは、ほんとに神降臨の作品だったんですね。

私の脳内では、アンドレは二次創作のアンドレにかなり変換されています。原作ほど苦悩せずあくまで穏やかで優しいアンドレ。原作に立ち戻ると息苦しくなり、二次創作物にもどってほっとしたりして。で、また原作アンドレを読むと新たな発見が。

ベルばらって何通りにも楽しめて飽きない。一生の趣味にできる。
ただし、ベルばらサイトは無限にあるので、廃人注意!です。
この記事へのコメント
はじめまして。
突然、何ヶ月も前の記事への書き込み、しかも失礼な内容で…ご無礼お許し下さい。

アンドレはフェルゼンとの別れで傷心のオスカルに強引に愛を告白したり、ジェローデルとの結婚話に動揺して無理心中を図ったりするからこそ、他のキャラにはない魅力を獲得したのです。このへんのことは、田辺聖子先生が「献身と支配」というタイトルのエッセイで素敵に論じていらっしゃいます。是非ご一読を。

乱文失礼しました。
Posted by 安堂あすか at 2013年12月04日 23:09
情報ありがとうございます!
探して読んでみますね。

先日も、知人たちとベルばらの話になり、アンドレ大ファンの人とお互い、えーっ!それは違う、でも‥と言い合っておりました。感じ方、受け取り方はいろいろありますね。ときがたつとまた考えが変わったり。

この記事を書いたときはこんな風に感じていましたが、いろんな風に考えられるなあって今は思います。
アンドレが最初の頃の無邪気な感じのまま、少しコミカルな相棒的カップルだったらどうだろう、なんて想像もしたりします。

コメント、ありがとうございました。
Posted by kei at 2013年12月05日 01:26
こんにちは。初めまして。横から失礼します。文庫版の田辺さんの解説しか読んでいませんが、『有夫恋』(朝日新聞社,1987)で有名な時実新子さんのエッセイ(山田太一編『生きるかなしみ』筑摩書房、1995収録)を読んだときに田辺さんのお言葉はもしかしたらこちらが原形なのかな?と思いました。(このエッセイの存在はあるサイトの掲示板で教えていただいたものです。)機会があったらぜひ時実さんの説へのコメントもお書きください。ご参考まで。KHS拝
追伸 たびたび検索にヒットするので楽しく読ませていただいています。少女漫画特集の文芸誌も注文させていただきました。読むのが楽しみです。では。
Posted by KHS at 2015年09月29日 20:42
KHS様 興味深い情報ありがとうございます!

探して読んでみますね。

稀人舎通信改2号を購入くださったのですね。
ありがとうございます!
新旧いろんな漫画作品が出てきますので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

昔の漫画を読み返すと、当時の時代の空気が満ち満ちていて、ときにせつない気持ちになります。
女性にとって、絶対今の方がはるかにいい時代だ、と感じます。







Posted by kei at 2015年09月30日 00:49
改2号読ませていただきました。楽しかったです。
アンドレをだめ男(イザークや尾崎さん→ファンの方々失礼します)からイケメンに変貌させるのが”壁ドン”(79頁)なのかな、でも現代だったらオスカルさまには「マウント」(笑いました)を一度も取らせないでリードしてもらいたいものだと思いました。また、宗像コーチのあの名言(35頁)はアンドレの魅力にもつながるなあと初めて思いました。
「ママだって、人間」「逃げるは恥だが役に立つ」「「育ち」をふりかえる」映画「何を怖れる フェミニズムを生きた女たち」などなど、ぜひ読んで(見て)みたいです。ご紹介ありがとうございました。
Posted by KHS at 2015年10月06日 23:28
KHS様
丁寧に読んでいただき、感激です!
マウント問題(^_^)…腐話も交えつつ盛り上がりました。確かに、オスカルにはリードしてもらいたい。
「男なら女の成長を妨げるような愛し方をするな」ほんと、そういう男性がいいですよね。

楽しんでいただけてうれしいです。
ありがとうございました。

Posted by kei at 2015年10月07日 00:16
追伸

稀人舎HPにコメントをいただきありがとうございます。
楽しくうれしく読ませていただきました。
お勧め記事のご紹介もありがとうございます。
逃げ恥が、新しい展開になるなど、目が離せない漫画作品が多々…。今月号のKISSには、55歳女性が主人公の少女漫画が…。
きっと私たちの世代は、一生漫画を読んでいくんだろうなと思います。
Posted by kei at 2015年10月07日 00:49
コメントありがとうございます。”ほうれい線”マンガ、ぜひ開拓したいものです。次は「50代におすすめの漫画10選」もぜひお願いしますね。
双生児や社会的養護の話が盛んに出てくるのも昔の少女漫画ならではでしたね。その両方を描いた水上澄子「淡雪シンフォニー」は絵も話もきれいで特に印象に残っています(残念ながら単行本にならず幻の原稿だったと最近ネットで知りました)。
さて、「「育ち」をふりかえる」、図書館で借りました。著者の方は日向ぼっこを立ち上げたお一人だったのですね、読めてよかったです。『さゆりさんの仕事は、一生かけてすればいいんだから』(168頁)との伴走者として見守っておられたボランティアの男性の言葉はとても暖かく響きました。金八先生じゃないですが、人に傷つき、人に出会い、ですね。
なお、(既にご覧になっていらっしゃるかもしれませんが、)坂上香監督(『Lifers ライファーズ 終身刑を超えて』)のドキュメンタリー映画『トークバック 沈黙を破る女たち』のことをこの本を読みながら思い出しました。この映画は傷つけられ、打ちのめされ、粗末にされた経験を言葉やパフォーマンスに表現することで自分自身を縛るものを息がつけるようにゆるめていく過程を描いた作品だと私は思っています。もう、お勧めです。
また、映画「何を怖れる」に知り合いの方が出ていることを今日知りました。本の方は今日図書館で借りてきてまだこれから読むところですが、後書きで著者の方が書かれていた言葉、「背中を押してくれたのは、最初にお会いした(中略)「松井さんのリブに対する違和感を大切にしながらつくればいいと思います」という言葉と(後略)」(186頁)というところは読んでうれしかったです(フェミニズムを知らないことにいつもそこはかとなく罪悪感を感じているので(笑))。これは、映画もぜひとも観なくては。
広がりをいただき、ありがとうございました。お元気で!
Posted by KHS at 2015年10月07日 22:33
コメントありがとうございます!
50代漫画10選!考えてみます。そのうちブログに…書けるかな。
KHSさんの読書量(漫画含む)、凄いですね。こちらこそ、新しい情報と視点を教えていただき、ありがとうございます。
人と出会うことはときに傷つくこともあるけれど、それ以上に喜びの方が大きいですね。
さまざまな出会いを楽しみ、生活を重ねていく。それを一番大事にしていきたいです。
お元気でお過ごしくださいね。


Posted by kei at 2015年10月10日 22:25
こんにちは。『何怖』はまだですが読むのが楽しみになりました。同じ作者さんの『豚飼い王子と100回のキス』面白かったです(従者ハンスのルックスがアンドレ!(笑)ちょっとチェーザレのミゲル風にツンでこれも良い)。ありがとうございます。
Posted by KHS at 2015年10月15日 23:56
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